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災難続き




「あぁ、疲れた…」

部屋に帰るや否や、開口一番そう呟いた。
ジャブラはそう言いながら、スーツの上着を脱ぎ、ネクタイを緩める。

「本当に、ああいう堅苦しいのは性に合わねーなー」

しゅるっと髪紐も解いてしまい、器用に腕へと巻き取る。


というのも、今日は政府の人間の集まる式典だったのだ。
たまたま長官に供を命じられ、こんな堅苦しい服で出かける羽目になったのだ。

本当に、暑苦しくてたまらなかった。


もういいや、このままゴロゴロしてりゃ…
幸い、今日は他の仕事を入れられなかった。
スーツが皺になる…とカリファあたりには怒られそうだが、もう限界だった。
上着は脱いだし、もういいやとばかりにベットに横たわった。



トントン

「ジャブラ…入るぞ」

主の返事を待たずして、開けられる扉。
そこには、書類を持ったルッチの姿があった。

そのままツカツカと中まで入り、寝室までやってくる。

「おい、ジャブラ…」
「何だよ…」

起き上がるのも面倒なので、寝そべったまま肩越しに振り返った。
客人にこの態度は失礼なのだろうが、相手が『招かれざる客人』の場合は話が違う。

「おい、ルッチ?」
「………」

何だか様子がおかしい。
持ってきた書類をぶるぶると握りしめ、固まったように動かない。
用があるなら、さっさと言えば済む話なのに。

「ルッチ??」
「………」

やっぱり反応がない。
おかしな奴。
小首を傾げて眺めていると…


「ジャブラッァァァァァァ!!!!」
「うぉあぁぁああぁぁぁっっっっ!!!?」


いきなり大声を上げ、そのまま圧し掛かってきた。



「おいっ!この馬鹿猫!!重い!退け!!」
「そんな格好をしているオマエが悪い!」
「はぁぁ??別に普通だろ!?」
「気崩したスーツ、肩越しに振り返る眼差しは絶対に俺を誘ってた!」
「アホかぁぁぁぁあぁぁ!!!」
「しかも、このポーズは何だ!!」
「って、馬鹿!おまえ、何ヒトのケツ揉んでんだよっっ!?」
「こんな風に尻を向けて…食べてと言わんばかりだろうが!!」
「言ってねぇ!!!!!」
「せっかくのお誘い、添え膳食わぬは男の恥だな…」

や、やべぇ、コイツ…完全にソノ気になってる…。




「と、とりあえず落ち着け…な?」(ずりずりっと後退)
「ん?俺はいつでも落ち着いているが?」(じりじりっと前進)
「えっと……あ、書類持ってきてくれたんだろ」(ずりずりっと後退)
「こんなもの、後でいい」(じりじりっと前進しつつ、書類を放る)
「アホか!マル秘って書いてあんのあるぞ!!」(ずりずりっと後退)
「気にするな」(じりじりっと前進)
「気にするわぁぁぁぁあぁっっ!!!!」(ずりずりっと…はっ!後がねぇ!!)

あっという間にベットの端まで追い詰められるジャブラ。
そんなジャブラを抱き込もうとするが、最期の抵抗とばかりに両手を突っ張っている。



「やれやれ」



しゅる…っ
ジャブラの首にかかっていたネクタイを取ると、そのまま両手を縛ってしまう。

「ちょ…ルッチ!!」
「いいから、素直に俺に食われろ…」


そういって、至極楽しげにジャブラの口の端をぺろりと舐めた。
これはもう、何を言っても無駄らしい。
しかし、明日もこんな通気性の悪い服装は御免だ。
だから…

「俺ァ明日仕事だからよ…痕だけは付けんなよ」

諦めながらも、最低限の要求をして、ジャブラは自分からルッチの唇に自分のそれを重ねた…。


FIN

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という訳で、1000ヒットありがとうございました!
イラ小説ですが、別々でも単品でもDLFですので、よろしければどうぞ。
お持ち帰り自由です★
申告ナシでOK(貰えたら狂喜乱舞しますVv)

…っていうか、こんなヘンタイ風味なルッチ、誰が要るんだろう…(不安)



ルッチ「…誰がヘンタイだ、誰が」(腕組み眼付け)

ジャブラ「…他人のケツかってに触りゃ、十分ヘンタイの域だぜ…」(溜息)

ルッチ「あれは…仕方ないだろう」

ジャブラ「アァ!?」(何が仕方ないんだ、何が!!)

ルッチ「あんな触ってとばかりのポーズを取られては…なぁ?」(ひとたまりもない…)

ジャブラ「誰に同意を求めてんだ、だ・れ・に!!」