「ふぁ〜ぁぁ……」
大きく伸びをしながら、欠伸をしていると、自分の真上に影ができる。
見上げると、呆れた顔が上から覗き込んできた。
「な〜にしとるんじゃ、ジャブラ」
「…るせェな…任務明けなんだよ」
呆れ顔のカクを睨みつつ、ごろりと芝生に転がる。
「何なら、オマエもどーだ?ギャハハ」
そういって笑う笑顔は無邪気なもの。
カクにしてみれば、ジャブラ直々の誘いは嬉しいけれども。
「生憎じゃが、任務がある」
「……そりゃ残念」
「……急ぎの仕事が溜まってるらしいんでのぉ、お前さんもそのうち呼ばれるぞ?」
「げ…マジかよ…」
「あぁ、だから起きろ」
「勿体ねェなァ…こんなにいい天気なのに」
天気が崩れる最近では珍しいほどの陽気。
ちょうど昼食を終えて、ここち良く睡魔の襲う身体。
まどろんでいるには、最高の条件だ。
「う゛〜眠ィな…」
「本当に、眠そうじゃのー」
本気で眠そうな顔をするジャブラに、思わずカクも苦笑する。
しかし、ここでのんびりしていては、いつまで経っても仕事が片付かない。
「ワシはもう行くからの」
「…何だ、つれねェな」
その残念そうな顔は、反則だと思う。
仕事があると頭では分かっているのに、この場から離れられなくなってしまう。
「って!離さんかいっ!!」
見ると、足元にしがみ付くジャブラの腕。
「いいじゃねぇか少しぐらい……仕事溜めた長官が悪い」
「そりゃ道理じゃが…あれでも上司じゃからのぉ」
「ギャハハ、違いねェ」
そう言いながら、カクを引き込んで座らせると、その膝に頭を乗せる。
「ジャブラっ!」
「………」
「起きろ!動けんじゃろうが」
「………じゃ、動くな」
「無茶言うな…」
「………」
本当は、力づくで動かしても良かったのだが。
膝の上にある温かな重みは、心地良かった。
「もう少し…」
「全く……もう少しだけじゃからの」
「わァってらァ」
いつもの口調で軽口を叩いて睡魔に身を委ねるジャブラ。
いつも自分を子ども扱いする男には見えない。
こうやって、甘えてくることなど皆無に等しいからだ。
時計を見れば、結構なタイムロスなのだけれど…。
「こんな顔されて眠られたら…起こせんじゃろぉが…」
せっかくの機会なのに起こしてしまうのが勿体無くて、カクはしばらくその寝顔を眺めていた。
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カクジャブです。
珍しく、ジャブラにワガママ言わせてみました。
きっとこの後、ジャブラが起きたらマッハで任務先行って仕事するんだよ、カクは。
ええ、そりゃもう『剃』フル活用で(笑)
ま、山風さんのスピードなら、大丈夫でしょう!!(どこらへんが?)
はぁ…
ウォーターセブンにあるブルーノの酒場で飲みながら、ルッチは一つ溜め息を吐いた。
「どーしたんだ、お前?」
見かねて声を掛けたのは、同僚のパウリー。
そりゃそうだろう。
一緒に酒を飲んでいる最中に、こうも溜め息ばかりでは不味くなってしまう。
『いや…何でもねぇ、ポッポー』
「沈んでも腹話術かよ…」
そのプロ魂は、天晴れと言えるべきもの。
「あ、もしや恋人についての悩みか??」
『!?ちちちち、違うぞ、くるっぽー』
「分かりやすいな。お前ェ」
『………』
「で、何があったよ?」
『………大嫌いと言われた、ポッポー』
「は?」
『あんなに激しく×××った後だったのに、くるっぽー』
「うわ…ハレンチだな、オマエ…」
『やっぱ最近マンネリ化なのか?ッポー!』
さらりと腹話術を利用した凄い会話の内容に、パウリーは顔を引き攣らせる。
しかし、これだけ同僚が困っているのだ、なんとかしてやりたい。
「んならよー」
『?』
「縛りのテク、教えてやろうか?」
『ポー?』
「アイスバーグさん…その…マンネリ化したら、必ず縛ってやるって言ってたし…」
『な、なるほど!くるっぽー』(さ、さすがだな…奥が深い)
「べ、別に、俺はやったことないぜ!?」
パウリーの弁解も聞こえぬほど、ルッチは考え込んでいた。
なるほど、確かにそれは一理あるかもしれない。
『ぜひともお願いしていいだろうか、師匠!くるっぽー』
「お、お、おうっ!任せとけ!!」
両手をガシっと握られて、半ばその勢いに押される形でパウリーは頷いた。
かくして、ルッチの縄遣いを極めよう大作戦は結構されたのだった。
「ジャブラか?あぁ、俺だ」
それから何日か経った夜、ルッチは目的の人物へと電話をかける。
「ぁ…あのよ……この前は悪かったと…」
流石に、大嫌いと言った後のルッチは見ていられなくて謝罪の言葉をかけようとするのだが…
「聞けジャブラ!脱マンネリだ!!」
「………は?」
「ここ数日の特訓で、俺の縛りのスキルはかなり上がったぞ!!」
「………何の話だ?」
「これなら、オマエも必ず満足できると…」
ガシャン!………ツーツーツー
みなまで言わせず、ジャブラは電伝虫を叩き切った。
「カクぅぅぅ何が!何がいけなかったんだ!?」
「いや………何がと言われてものぉ…」
その後、カクに泣き付くルッチと、答えに給するカクの姿があったとか、なかったとか。
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ルチジャブです。(え゛これで!?)
あ!ルッチファンの方、石投げないで〜←毎回コレばっかですな(汗)
今回は舞台がウォーターセブン…パウリー出せて嬉しかったり。
天然なルッチが真顔でこーゆーことして欲しいなと思ったりします。
何か、シリーズ化しそうだな、コレ……(滝汗)
拍手お礼SS 第3弾です。
カクジャブとルチジャブ〜★
カクさんは興味ないふりしてジャブラが好き好きなんです!
えぇ、年下のオトコノコですから(笑)
ルチジャブは、こういうギャグのテンポも好きです。
ルッチをいかに壊すかを楽しみに書いてますので(爆)
ちなみに、縄と猫(略した)はシリーズ化が決まってます。
…くずのはの気分で続きが!!Σ(○口○)/